積立をS&P500からオルカンに変えました。それでも、6割はアメリカを買い続けます。
オルカンが連動するMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの国別比率は、2026年7月31日時点でアメリカが63.55%。日本が5.05%です。アメリカから降りたわけではなく、アメリカを6割に薄めて、残りを世界に散らしただけでした。
この記事は2026年8月26日時点で、MSCIのインデックスファクトシートと、三菱UFJアセットマネジメントの月次レポートを確認して書いています。投資信託の買い・売りを勧めるものではありません。
オルカンの中身は63.55%がアメリカです。上位5に中国とインドは入っていません
オルカンのベンチマークであるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスは、先進国23ヵ国と新興国24ヵ国、合計2,460銘柄で構成されています。世界の投資可能な株式市場の約85%をカバーする指数です。2026年7月31日時点の国別比率がこれです。
| 国・地域 | 比率 |
|---|---|
| アメリカ | 63.55% |
| 日本 | 5.05% |
| イギリス | 3.19% |
| 台湾 | 3.14% |
| カナダ | 3.01% |
| その他(42ヵ国) | 22.07% |
上位5に中国もインドも入っていません。 カナダの3.01%より下ということです。
組入上位はApple 4.8%、NVIDIA 4.4%、Microsoft 3.1%、Amazon 2.2%、Alphabet 1.9%(eMAXIS Slim 全世界株式の2026年7月末時点)。上のほうを見ると、S&P500とほぼ同じ顔ぶれが並びます。違うのは、その下に世界の1,000社以上がぶら下がっていることです。
てびちゃんオルカンってアメリカ以外を買うやつちゃうん?



6割はアメリカやよ。世界を時価総額の順に買うだけやから
中国やインドに賭けたいなら、オルカンは向いていません
俺は最初、「これから中国やインドが伸びるならオルカンで拾える」と思っていました。これは考え方が逆でした。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスは時価総額加重です。伸びそうな国を先回りして買う仕組みではなく、伸びた結果として時価総額が大きくなった国の比率が、あとから上がる構造になっています。
だから今のオルカンを月10万円積んでも、日米以外に向かう金額は31.4%ぶんの約31,400円です。特定の新興国に賭けたいなら、オルカンではなく新興国のファンドを別に買うことになります。
S&P500からオルカンに変えた理由は、日本が40%から5%になった過去です
1989年、世界の株式時価総額に占める日本の比率は約4割と言われていました。世界の時価総額ランキング上位20社のうち14社が日本企業だった時代です。その日本が、2026年7月末のMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスでは5.05%になっています。
40%から5%です。
あの時に日本株だけを持っていた人は、そこから戻ってきませんでした。世界を丸ごと持っていた人は、日本の比率が勝手に下がって、代わりに上がった国へ自動的に乗り換わっていました。
俺が怖いのは暴落ではありません。覇権国が沈んだまま、そこに全部を賭けていた未来のほうです。アメリカが1位を守り続けたとしても、世界全体で見た比率が40%まで落ちることはありえます。その時に「アメリカは1位なのに全然増えない」と言っている60歳の自分を、見たくないだけです。
オルカンは、暴落を避ける道具ではありません
ここは正直に書いておきます。1989年に全世界株を持っていた人は、日本の比率が4割だったので、バブル崩壊を4割ぶんそのまま食らっています。
同じことが今の構成でも起きます。アメリカが63.55%ある以上、アメリカが半分になれば全世界株も大きく削られる。「分散しているからアメリカの暴落は関係ない」にはなりません。
効くのはその後です。沈んだ国の比率が下がって、伸びた国の比率が上がるので、次の主役の上昇に乗れる。痛みを避ける道具ではなく、主役が入れ替わったあとに取り残されないための道具です。
インデックス投資の歴史をたどると、本家はS&P500のほうでした
オルカンが新しい商品だから歴史のある指数のほうが安心、と思っていたのですが、これも外れていました。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の設定日は2018年10月31日、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の設定日は2018年7月3日。3ヶ月しか違いません。
同じシリーズの、ほぼ同時期に生まれた商品でした。
歴史があるのは商品ではなく指数のほうです。S&P500の算出開始は1957年。そして世界初の個人向けインデックスファンドは、1976年にバンガードが設定したS&P500連動のファンドでした。ジョン・ボーグルが作って、業界から「ボーグルの愚行」と嘲笑されたやつです。
そのボーグル本人は、最後まで「米国株だけで十分」という立場で、国際分散には懐疑的でした。インデックス投資の父に聞いたら、俺の乗り換えは止められるということです。
それでも変えました。ボーグルが見ていたのはアメリカが強い時代のアメリカで、俺が見ているのは日本が40%から5%になった記録のほうだからです。



生みの親に反対されるやつやん



そうやよ。それでも当てにいかへん方を選んだ
これまで積んだS&P500は、売らずに置いておきます
積立の向き先を変えただけなので、これまで楽天証券のNISAで積んだeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はそのまま残ります。金額は228,130円。ここは1円も売りません。
ぼくのNISAの中で、S&P500はそのまま置いておくよ。
放置したまま増える仕組みは、はっきりしています。
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| 分配金 | 設定来ずっと0円。ファンドの中で配当を再投資している |
| 口数 | 積立を止めたので固定。増えるのは基準価額だけ |
| 信託報酬 | 基準価額から毎日差し引かれる。設定来8年で1万口あたり102円 |
| 為替 | 円建てなので、米国株の値動きと為替を同時に受ける |
分配金を受け取って買い直す作業がないので、放置がいちばん効率のいい形になるよう作られています。
8年で4.4倍のうち、27%は円安が作りました
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の設定来の騰落率は、2026年7月31日時点で+339.5%。8年で4.4倍、年率にすると約20.3%です。
ただ、この中身を分けると景色が変わります。
| 要因 | 設定来の寄与 |
|---|---|
| 株式要因 | +24,945円 |
| 為替要因 | +9,107円 |
| 信託報酬等 | -102円 |
| 合計 | +33,950円 |
値上がりの約27%は円安が作っています。 米国株が上がっても円高になれば、円建ての評価額は減ることがある。年率20.3%という数字は、米国株が強かった8年と円安が重なった、かなり恵まれた期間のものです。これをそのまま将来に当てはめるのは危険だと思っています。
参考までに、228,130円を追加投資なしで置いた場合の単純な複利計算がこれです。予測ではなく、その年率が続いたらこうなるという算数です。
| 年率 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 3% | 306,588円 | 412,028円 | 553,731円 |
| 5% | 371,600円 | 605,297円 | 985,965円 |
| 7% | 448,766円 | 882,791円 | 1,736,584円 |
| 10% | 591,710円 | 1,534,745円 | 3,980,732円 |
積立を切り替えたのと同じ日に、東京海上の株を楽天証券のNISAで7株買っています。そっちは2030年まで売らない前提の玉です。
これから積むのはオルカン、置いておくのはS&P500。アメリカを応援する気持ちは変えていません。全部を賭けるのをやめただけです。
日本株を趣味の枠で買うのも、そのまま続けます。



結局アメリカが好きなんやん



好きやよ。好きなだけで全部渡すのをやめただけや
更新ログ
2026-08-26 公開。MSCIのインデックスファクトシートと、eMAXIS Slim 全世界株式・米国株式(S&P500)の2026年7月末の月次レポートを確認して書きました。








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