東京海上を海運会社だと思って、7株買いました。損害保険会社でした。
2026年8月25日、東京海上ホールディングスが1株を15株にする株式分割と、株主優待の新設を発表しています。俺が注文を入れたのはその日の夜。分割後に105株になって、優待の条件である100株をギリギリ超えるからです。注文した時点の株価は7,408円、7株でおよそ51,856円でした。
ただし調べていくと、優待の7,500円が届くのは2027年ではなく2030年3月31日でした。
この記事は2026年8月26日時点で東京海上ホールディングスの適時開示と公式ページを確認して整理したものです。株式の買い・売りを勧めるものではありません。
東京海上を海運会社だと思っていました。名前の由来は海上保険です
東京海上ホールディングスは損害保険の会社です。海運は日本郵船・商船三井・川崎汽船のほう。「海上」が付いているのは、1879年に創業した日本初の損害保険会社「東京海上保険会社」の名前がそのまま残っているからです。当時、日本の船の積荷にかける保険はロンドンの英系保険会社がほぼ握っていて、それを国内資本で引き受けるために作られた会社でした。
俺が買おうとした時の理屈はこうでした。
「島国の日本は海運と切り離せない。だから沈まない」
会社が違うので、この理屈は1ミリも効きません。英語社名の Tokio Marine の Marine も、海運ではなく marine insurance の Marine です。海と無縁ではないけれど、船を動かす側ではなく、船と積荷に保険をかける側でした。
てびちゃん海上って書いてあるやん。船ちゃうの?



保険屋やで。名前だけ150年前のまま残ってるんよ
東京海上の利益は、国内損保が62%で、北米が26%です
中身は東京海上日動火災保険(自動車保険・火災保険)、あんしん生命、それと海外の損保子会社群です。IR資料によると、2025年度の修正純利益8,815億円の内訳は国内損保(Japan P&C)が62%、北米が26%、国内生保が4%。国内の損保が最大の柱で、次が北米という構成です。
貨物海上保険という商品は今もありますが、利益の柱ではありません。だから東京海上の業績を動かすのは、海運の運賃市況ではなくこの4つです。
| 動く要因 | 効き方 |
|---|---|
| 自然災害 | 保険金の支払いが増えて、その期の利益が削られる |
| 自動車保険の料率 | 国内の本体部分に直接効く |
| 北米の子会社 | 修正純利益の26%がここ |
| 金利・為替 | 運用益と、海外利益の円換算に効く |
俺は海運の理屈で買おうとして、全部外していました。
7株を選んだのは、東京海上の分割後にちょうど105株になるからです
東京海上の株式分割は1株につき15株。基準日は2026年9月30日で、効力発生日は2026年10月1日です。7株を持っていれば分割後は105株になり、優待の条件である100株以上を超えます。6株だと90株で届きません。7が、この分割で意味を持つ最小の数字でした。
開示にはこう書いてあります。
より多くの皆さまに当社の株主となっていただき、当社の成長を支えていただくため
株式分割によって投資単位を大きく引き下げることで、幅広い投資家の皆様に当社の株式を身近に感じていただき
最低投資額は約74万円から約5万円に下がります。会社が個人株主を増やしにいっているのが、そのまま文章に出ています。
俺が注文したのは、株価が7,408円だった8月25日の夜です。7株でおよそ51,856円。成行で出しているので、実際の約定単価は翌26日の寄り付きの値になります。100株を今まとめて買えば約74万円なので、分割の恩恵はそのまま受けています。
分割にあわせて、2027年3月期の期末配当予想も122.5円から8.17円に修正されています。株数が15倍になるので、分割前に換算すると実質は同額です。
注文はSBI証券の特定口座から、楽天証券のNISAに出し直しました
最初に7株の成行注文を出したのは、8月25日19時53分、SBI証券の特定口座でした。その後いったん取り消して、翌26日の4時47分に楽天証券のNISA成長投資枠で出し直しています。同じ7株を、口座だけ変えました。
理由は、2030年3月まで売らない前提の株だからです。NISAは非課税の期間が無期限で、優待の条件も「3年以上の継続保有」。どちらも「売らない」を前提に作られているので、噛み合います。配当も非課税になります。
引き換えに捨てたものもあります。NISAは損益通算と繰越控除ができません。特定口座なら他の取引の利益と損失を相殺できますが、NISAでは損が出ても何とも相殺できない。売らない前提だから受け入れた、というだけです。
なお楽天証券で単元未満株を買うサービスは「かぶミニ」で、前場の寄り付きで約定する寄付取引ならスプレッドはかかりません。立会時間中のリアルタイム取引を選ぶと0.22%のスプレッドが乗ります。
SBI側の注文は消えた。流れが変わっても、また組み直すだけだ。
楽天のNISAで持つなら、配当も非課税で受け取れるよ。
分割前に買っても、分割後に買っても、金額は同じです
正直に書いておくと、分割前に買う金銭的なメリットはありません。分割は1株を細かく割るだけで、会社の価値は変わらないからです。7株を今買うのと、10月以降に105株を買うのは、理論上は同じことをしています。
それでも先に買ったのは、上がってから「買っておけばよかった」と言う自分を見たくなかったからです。合理性ではなく、納得のための51,856円でした。下がったとしても、自分で決めた行動なのでそれでいいと思っています。
東京海上の優待7,500円が届くのは、2027年ではなく2030年3月31日です
ニュースは「2027年3月31日を初回基準日」と書いています。これは制度が始まる日であって、今から買った人がもらえる日ではありません。条件は「100株以上を3年以上継続保有」で、開示ではその3年がこう定義されています。
3年以上継続保有とは、毎年3月31日および9月30日時点の株主名簿に、当社普通株式100株以上を保有する株主として、同一株主番号で連続して7回以上記載または記録された場合をいいます
半年ごとの名簿を7回連続で通過して、ようやく3年です。開示の別紙には、いつ買った人がいつもらえるかの表が載っていました。
| 保有を開始した時期 | 7,500円がもらえる基準日 |
|---|---|
| 2024年3月以前 | 2027年3月31日(初回基準日) |
| 2024年4月〜2025年3月 | 2028年3月31日 |
| 2025年4月〜2026年3月 | 2029年3月31日 |
| 2026年4月以降(俺) | 2030年3月31日 |
初回の7,500円を受け取ったあとは、100株以上を持ち続けている限り毎年2,500円相当の電子マネー等がもらえます。優待の中身と贈呈時期は「決定次第、改めてお知らせ」と書かれていて、まだ決まっていません。
2026年9月30日の名簿には、分割前の7株しか載りません
ここが分かりにくいところです。分割の基準日は2026年9月30日ですが、効力発生は翌10月1日。つまり9月30日時点の株主名簿に載るのは、分割前の7株です。100株以上ではないので、この回はカウントされません。
最初にカウントされるのは2027年3月31日の105株。そこから半年ごとに7回目を数えると、2030年3月31日になります。分割をまたいで買った人は、9月30日の1回を捨てていることになります。
貸株に出すと、東京海上の継続保有は切れます
証券会社の貸株サービスに出すと、株が貸し出されて株主名簿上の名義から外れます。名簿に載らなければ、当然その回はカウントされません。金利をもらう代わりに、2030年の7,500円が消えるという交換です。
開示にもこう書いてあります。
売却等により株主番号の連続性が途切れた場合は、それ以前の保有期間は通算いたしません
俺はNISAの成長投資枠で買って、貸株は未申込のまま置いてあります。あとNISAで配当を非課税にするには、配当金の受取方法が「株式数比例配分方式」になっている必要があります。ここが「配当金領収証方式」のままだと、NISA口座でも20.315%引かれます。



3年って長ない?途中で売りたなったらどうすんの



売ったらゼロからやり直しやよ。売らん前提の制度やもん
東京海上のような損保は、災害で殴られて値上げで戻す商売です
東京海上のような損害保険会社の利益は、集めた保険料から保険金と経費を引いた分と、預かったお金の運用益でできています。大きい災害の年は保険金の支払いで削られますが、その後は保険料率が上がって戻ります。実際、火災保険の参考純率は2023年6月に全国平均で13.0%引き上げられました。筋トレと同じで、負荷がないと落ちる商売です。
料率が高い状態をハードマーケット、値下げ競争で軟化した状態をソフトマーケットと呼びます。平穏が続くと各社が値下げを始めて痩せるので、「平和な時がいちばん儲かる」ではありません。適度に殴られている方が、業界としては筋肉質でいられる構造です。
この13.0%の引き上げは、損害保険料率算出機構が金融庁へ届け出たものです。理由として挙げられているのが「自然災害などによる保険金支払いの増加とリスク環境を踏まえた対応」。あわせて水災の料率が、市区町村ごとのリスクに応じて5区分に細分化されました。
熊本地震の保険金は、東京海上の損益をほとんど動かしません
2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が起きました。ここで勘違いしそうになったのが「災害が多いと損保は儲からない」という話です。
家計向けの地震保険は、政府が再保険を引き受ける官民共同の制度です。しかも「ノーロス・ノープロフィット原則」で運営されていて、保険料に保険会社の利潤が織り込まれていません。長期的に収支が均衡するよう設計されていて、保険会社にも国にも利益が出ない仕組みになっています。
つまり家計地震保険の支払いがどれだけ出ても、損保の決算は直撃されません。損保に効くのは、企業向けの地震保険(任意商品で各社の負担)と、火災保険の風水災部分のほうです。
俺は最初、「災害が増えるから損保が伸びる」という理屈でこの株を見ていました。そこも半分外していました。
俺が持っているのは、7,408円の時に注文した7株です。10月1日に105株になって、優待が届くのは2030年3月31日。それまで4年半近く、何もせずに置いておくだけです。
この注文を出したのと同じ日に、積立のほうもS&P500からオルカンに変えました。片方は2030年まで動かさない玉、片方は毎月積む玉です。
このブログで株の話を書くのは、楽天グループ株が13.77%急落した理由を調べた2026年8月13日以来です。普段は銀行の話ばかりですが、こういうのもたまに挟みます。
分割前に7株。ここだけは、制度をちゃんと読んで選んだ数字でした。



結局、海運やと思って買ったんやろ?



そうやよ。理由は間違えたけど、株数だけは合ってた
更新ログ
2026-08-26 SBI証券の特定口座から楽天証券のNISAへ注文を出し直した経緯を追記しました。
2026-08-26 公開。東京海上ホールディングスの2026年8月25日付適時開示(株式分割・株主優待制度の導入)と、ことら・財務省・気象庁の公式情報を確認して書きました。








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